ITサービスマネージャ試験とは?難易度・合格率・試験内容とITILとの違いを解説

ITサービスマネージャ試験とは?難易度・合格率・試験内容とITILとの違いを解説 IT資格

ITサービスマネージャ試験(SM)は、システムの運用・保守を統括する責任者向けのIPA高度試験(レベル4)で、令和7年度春期の合格率は14.7%(受験者2,002人・合格者295人)です。2026年度からはCBT方式に移行し、科目A-1・A-2・B-1・B-2の4科目構成で前期に実施されます。開発ではなく「運用の質」で評価されたいインフラエンジニア・運用担当者にとって、キャリアの到達点を示せる資格だと資格スキルアップ編集部は考えています。

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この記事で分かること

  • ITサービスマネージャ試験の対象者・試験構成・合格率
  • 2026年度のCBT方式移行で変わった点
  • ITIL資格との違いと、学習の進め方

ITサービスマネージャ試験とはどんな資格?

ITサービスマネージャ試験は、情報処理技術者試験の高度区分の一つです。IPAは対象者像を「サービスの要求事項を満たし、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する者」と定めています。

かみ砕いて言えば、システムを「作ったあと」に安定して動かし続ける責任者のための試験です。障害が起きたときの対応手順、再発防止の仕組みづくり、サービスレベルの維持、運用コストの管理。派手さはないものの、止まると事業そのものが止まる領域を扱います。

鉄道にたとえるなら、新しい路線を敷くのがシステム開発、毎日ダイヤどおりに列車を走らせるのがITサービスマネジメント。乗客が意識するのは開業のニュースですが、信頼を積み上げているのは日々の定時運行のほうです。

試験構成はどうなっている?CBT移行で何が変わった?

2026年度から、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験はCBT方式に移行しました。これに伴い科目名が変わっています。

科目(旧名称)試験時間出題形式出題数/解答数
科目A-1(旧・午前I)50分多肢選択式(四肢択一)30問/30問
科目A-2(旧・午前II)40分多肢選択式(四肢択一)25問/25問
科目B-1(旧・午後I)90分記述式3問/2問
科目B-2(旧・午後II)120分論述式2問/1問

出典:IPA「ITサービスマネージャ試験」(2026年10月確認)

IPAの案内では、2026年度のITサービスマネージャ試験はCBT方式により前期に実施されます。科目名と受験方式は変わりましたが、出題形式・出題数・試験時間は従来の構成を引き継いでいます。

変化が大きいのは科目B-2の論述です。これまで手書きだった論文を、キーボードで入力することになりました。手書きの負担が減る一方、タイピング速度と画面上での推敲に慣れているかどうかが新たな差になる、と編集部は見ています。

難易度・合格率はどれくらい?

IPAの統計によると、令和7年度春期の結果は次のとおりです。

項目令和7年度春期
応募者数2,898人
受験者数2,002人
合格者数295人
合格率14.7%

出典:IPA「情報処理技術者試験 統計資料」

合格率14.7%という数字は、受験者の多くが応用情報技術者の合格者や実務経験者であることを踏まえて読む必要があります。基礎力のある人たちの中での約7人に1人。簡単な試験ではありません。

最大の関門は論述式の科目B-2です。自分の経験をもとに、設問の指示に沿って論文を書く形式で、知識の暗記だけでは対応できません。「実務で何を考え、どう判断したか」を言語化する力が問われます。

▶ 関連記事:応用情報技術者試験の難易度・合格率

ITIL資格とは何が違う?

ITサービスマネージャ試験とITIL認定資格は、扱うテーマは近いものの、性格が異なります。

項目ITサービスマネージャ試験ITIL 4 ファンデーション
種別国家試験(IPA)国際的な民間認定資格
レベル高度(レベル4)入門
出題形式選択式+記述式+論述式選択式
問われる力現場での判断力・論述力フレームワークの用語と概念の理解

ITILは、ITサービスマネジメントの成功事例を体系化したフレームワークです。ITIL 4 ファンデーションが「共通言語を覚える試験」だとすれば、ITサービスマネージャ試験は「その言語で自分の現場を語る試験」。編集部としては、ITILの入門資格で用語と考え方を押さえてからITサービスマネージャに挑む流れが、学習の負荷を分散しやすいと考えています。

どんな人が受けるべき?取得のメリットは?

次のような方に向いた試験です。

  • 運用・保守の現場でリーダーやマネージャーを務めている
  • インフラエンジニアとして、技術以外の強みを示したい
  • 社内SEとして、ベンダー管理やサービス品質の改善を担っている

運用の仕事は「何も起きないこと」が成果のため、評価が見えにくいという悩みがつきまといます。ITサービスマネージャ試験の合格は、その見えにくい専門性を第三者の基準で示す手段になります。

また、高度試験に合格すると、その後2年間は他の高度試験や情報処理安全確保支援士試験で科目A-1(旧・午前I)の免除を申請できます。次の資格に挑戦しやすくなるのも利点です。

▶ 関連記事:ネットワークスペシャリスト試験とは?
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合格に向けてどう勉強すればいい?

編集部がおすすめする学習の順番は、「論述の準備から逆算する」やり方です。

  1. 科目B-2の過去問題を先に読む:どんなテーマで何を書かされるのかを最初に把握する
  2. 自分の経験を棚卸しする:障害対応、手順の改善、引き継ぎなど、書けそうなエピソードを3つ用意する
  3. 科目A-2で知識を固める:過去問題の繰り返しが有効
  4. 科目B-1で読解と記述の型を身につける:設問が求める字数・観点に合わせる練習
  5. 論文をキーボードで実際に書く:時間を計って最後まで書き切る

多くの受験者は選択式から順に勉強し、論述の準備が直前になりがちです。心理学で「計画錯誤」と呼ばれる、作業時間を楽観的に見積もってしまう傾向の典型例。いちばん時間のかかる論述を先に見ておくだけで、学習計画の現実味がまるで変わります。

よくある質問

Q1. ITサービスマネージャ試験の合格率はどれくらいですか?
A1. IPAの統計によると、令和7年度春期の合格率は14.7%(受験者2,002人、合格者295人)です。受験者の多くが応用情報技術者の合格者や実務経験者であることを考えると、難関試験といえます。

Q2. 2026年度からのCBT方式で何が変わりましたか?
A2. 受験方式が紙からコンピューターに変わり、科目名が午前I・午前II・午後I・午後IIから科目A-1・A-2・B-1・B-2に変更されました。試験時間や出題形式・出題数は従来の構成を引き継いでいます。論述式の科目B-2はキーボード入力になりました。

Q3. ITILの資格とどちらを先に取るべきですか?
A3. 編集部としては、ITIL 4 ファンデーションを先に学ぶ流れをおすすめします。ITILで用語と考え方を押さえておくと、ITサービスマネージャ試験の記述・論述で自分の経験を整理しやすくなるためです。

Q4. 実務経験がなくても合格できますか?
A4. 受験資格に実務経験の条件はないため、受験自体は可能です。ただし科目B-2は自分の経験をもとに論述する形式のため、運用・保守の実務経験がある人のほうが取り組みやすい試験です。

まとめ:運用の専門性を「見える形」にする資格

ITサービスマネージャ試験は、日々の安定稼働を支える人のための高度試験です。合格率14.7%の壁は高いものの、論述の準備を通じて自分の仕事を言葉にする経験そのものが、次の評価面談や転職活動で効いてきます。

「何も起きなかった」を、成果として語れるようになる。それがこの資格のいちばんの価値だと、編集部は考えています。まずは過去の論述問題を1問、読んでみてください。

※本記事の試験情報は2026年10月時点のものです。実施日程・申込期間は必ずIPA公式サイトで最新情報をご確認ください。
執筆:資格スキルアップ編集部

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