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ITパスポートは、IPA(情報処理推進機構)が実施する、ITを使うすべての社会人・学生向けの入門国家試験です。受験料7,500円、CBT方式で100問・120分、令和7年度の合格率は48.6%で、IT初学者でも数か月の学習で十分に合格を狙えます。
ただし2026年は、受験を考えている人にとって大事な変化が2つあります。ひとつは2026年12月28日からのCBT試験の一時休止、もうひとつは2027年度に向けた出題分野の見直しです。「意味がある資格なのか」という疑問への編集部の考えも含めて、IPA公式の情報をもとに整理しました。
資格スキルアップ編集部|最終更新:2026年10月20日
ITパスポートとは、結局どんな資格なのか?
ITパスポート試験(iパス)は、情報処理技術者試験の中でもっとも入門に位置する国家試験で、エンジニアに限らず「ITを活用する人」すべてを対象にしています。
IPAが2026年4月に公表した令和7年度の統計では、応募者数は30万7,266人で2年連続の30万人超え。社会人応募者のうち、非IT系企業に勤める人がIT系企業の4倍以上を占めています。つまり、もはや「エンジニアの資格」ではなく、営業・事務・経営企画などの非IT職が「ITの共通言語」を身につけるための資格として定着しているということです。
ITパスポートの位置づけは、料理で言えば「包丁の使い方・基本調理法を学ぶ段階」に近いと編集部では考えています。プロの料理人を目指さなくても、基礎を知っておくことで日常の料理(=仕事でのIT活用)の質が上がる。そういう性質の資格です。
試験の形式・受験料・合格基準はどうなっている?
試験は全国のテストセンターで受けるCBT方式で、100問・120分、総合600点以上かつ3分野それぞれ300点以上で合格です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 情報処理技術者試験「ITパスポート試験」 |
| 略称 | iパス |
| 実施団体 | IPA(独立行政法人情報処理推進機構) |
| 試験方式 | CBT(全国のテストセンターで随時受験) |
| 問題形式 | 四肢択一・100問 |
| 試験時間 | 120分 |
| 受験手数料 | 7,500円(税込) |
| 合格基準 | 総合評価点600点以上、かつ分野別評価点(3分野)それぞれ300点以上(いずれも1,000点満点) |
| 有効期限 | なし(一度合格すれば失効しない) |
合格基準で見落としやすいのが「分野別300点」のラインです。総合点が高くても、苦手な1分野が300点を下回れば不合格になります。得意分野で稼ぐ戦略が通じない設計なので、3分野をまんべんなく押さえる必要があります。
CBT方式は便利?それとも落とし穴?
ITパスポートは2011年から紙の試験を廃止し、CBT(コンピュータを使った試験)で実施されています。全国のテストセンターで、空きがあれば自分の都合のよい日に受験できるのが大きなメリットです。
一方で、「いつでも受けられる」という自由度の高さは、行動経済学でいう現在バイアス(目先の負担を避けて先延ばしにしてしまう傾向)を刺激しやすい面もあります。編集部では、学習を始める前に受験日を先に予約してしまうことをおすすめしています。締め切りを先に決めたほうが、結果的に学習が進みやすいためです。
2026年12月からのCBT休止と、2027年の見直しで何が変わる?
ITパスポートのCBT試験は、IPAのシステム切り替えに伴い2026年12月28日から一時休止される予定です。再開時期は、2026年10月20日時点では正式な日程が発表されていません。
年内に合格したい人は、12月27日までに受験を終える必要があります。不合格だった場合の再受験の余地も考えると、11月中に1回目を受けておくのが安全だと編集部では考えています。休止期間をはさむ場合の学習計画は、以下の記事で詳しく整理しています。
▶ 関連記事:IPA試験のCBT休止(2026年12月〜)と学習計画の立て方を見る
また、IPAは2027年度に向けて情報処理技術者試験の見直しを検討しており、報道によるとITパスポートの出題分野は現在の「ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系」から、「ビジネス・テクノロジ・セキュリティ・信頼性」へ再編する方向とされています。DXやデータマネジメント、AI利用に関する内容が加わる見込みです。正式な試験要綱はまだ公表されていないため、現行の3分野で学習している人は、休止前に受験を終えておくと教材の切り替えを気にせずに済みます。
出題範囲の3分野では、何が問われる?
現行のITパスポートは、ストラテジ系(経営・法務)、マネジメント系(プロジェクト・サービス管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野から出題されます。
| 分野 | 出題数の目安(IPA公表) | 主な内容 |
|---|---|---|
| ストラテジ系 | 35問程度 | 企業活動・経営戦略・法務(知的財産権・個人情報保護など) |
| マネジメント系 | 20問程度 | プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント・システム監査 |
| テクノロジ系 | 45問程度 | コンピュータの仕組み・データベース・ネットワーク・セキュリティ |
「技術だけでなく経営・法務の知識も問われる」のがITパスポートの大きな特徴です。ITが経営判断に直結する今、「技術を使う側の意思決定者」にもITの知識が求められる、という設計思想の表れだと編集部では捉えています。逆に言えば、文系出身者でもストラテジ系で得点を稼ぎやすく、入門資格として取り組みやすい理由のひとつです。
ITパスポートは本当に「簡単」なのか?
合格率は48.6%(令和7年度)で、「受ければ誰でも受かる」試験ではありません。受験者のおよそ2人に1人が不合格になっている計算です。
| 項目 | 令和7年度(2025年度) |
|---|---|
| 応募者数 | 30万7,266人 |
| 合格者数 | 13万2,012人 |
| 合格率 | 48.6% |
(IPA公表の令和7年度統計より。最新の数値はIPA公式サイトの統計情報で確認できます)
いわゆる「難関資格」ではないものの、出題範囲が経営から技術まで広く、何の準備もせずに受けて受かる試験ではありません。「入門資格だから対策不要」と考えて受験し、分野別の足切りにかかってしまうのは避けたいところです。
合格までに何時間くらい勉強すればいい?
ITの予備知識によって大きく変わり、編集部の目安では30〜100時間程度です。
| IT知識のベース | 目安学習時間 |
|---|---|
| ITにほぼ触れたことがない | 80〜100時間 |
| 日常的にPCを使うが専門知識はない | 50〜80時間 |
| IT業務の経験が1〜2年ある | 30〜50時間 |
※上記はIPAの公式基準ではなく、出題範囲と難易度から編集部が試算した目安です。
1日1時間なら、初学者でも2〜3か月が一つの目安になります。勉強時間をどう配分するかは、以下のモデルスケジュールの記事も参考にしてください。なお、余裕をもって計画を立てたい初学者向けには、サイト内の別記事でより長めの100〜150時間という目安も紹介しています。
▶ 関連記事:ITパスポート合格モデルスケジュールを見る
独学と通信講座、どちらを選ぶべき?
費用を最優先するなら独学、「何から手をつければいいかわからない」なら通信講座が向いています。
独学はどんな人に向いている?
市販の参考書と、IPA公式サイトで公開されている過去問題・サンプル問題を組み合わせるのが、費用をもっとも抑えられる独学スタイルです。かかるのは参考書代と受験料7,500円程度。自分で学習計画を立てて守れる人、すでにIT業務の経験がある人に向いています。
通信講座はどんな人に向いている?
通信講座の価値は、学習の順番があらかじめ組み立てられていて、初学者がつまずきにくい点にあります。フォーサイトのITパスポート講座は、公式サイトによると紙のテキスト・問題集が届くスピード合格講座が16,800円(税込・送料別)、教材をすべてデジタルで受け取るデジタルプランが6,480円(税込)で、公式サイトでは受講生の合格率87.6%(全国平均48.6%)が掲載されています。
「何から手をつければいいかわからない」という状態で止まってしまう時間を考えると、数千円〜1万円台で道筋を買えるのは十分に合理的な選択だと編集部では考えています。
▶ 関連記事:ITパスポートおすすめ通信講座ランキングで、フォーサイト以外の講座も比較しています。
ITパスポートを取ると、何が変わる?
一番大きい変化は、職場でIT関連の話題に「置いていかれなくなる」ことです。
職場での変化
- IT関連の会議・報告書で出てくる用語(クラウド・セキュリティ・プロジェクト管理など)が理解できるようになる
- DX推進部門や情報システム部門との会話がスムーズになる
- 企業によっては資格手当や昇格要件の対象になる
こうした変化が重要なのは、「資格を取ったこと」自体より、「会議で置いていかれなくなる」「自分で調べて判断できるようになる」という実務上の安心感につながるからです。
就職・転職への影響
- IT職への転職を目指す場合、「IT基礎知識あり」を証明するエントリーポイントになる
- 非IT職でも、採用担当に「自分で学ぶ姿勢がある」ことを示せる
「取っても意味がない」という意見は、「これだけで転職できるわけではない」という文脈で語られることが多いです。それ自体は正しい指摘ですが、IT基礎を証明する国家試験の合格が1つあるかないかは、次のステップへの信頼性を高めるという意味で確実に価値があると編集部では考えています。
よくある質問
Q. 学生でも受験できますか?
A. 受験資格に年齢や学歴の制限はなく、高校生・大学生も受験できます。IPAの令和7年度統計でも、大学(理系以外)や高校(普通科など)からの応募が前年度から増えたと報じられています。
Q. 合格に有効期限はありますか?
A. ありません。ITパスポートは一度合格すれば失効せず、更新の手続きも不要です。
Q. 2026年12月以降もITパスポートは受験できますか?
A. IPAの発表では、ITパスポートのCBT試験は2026年12月28日から一時休止される予定で、2026年10月20日時点では再開日が正式に発表されていません。年内に受験したい場合は12月27日までに受験を終える必要があります。
Q. ITパスポートの次に目指すべき資格は何ですか?
A. エンジニア職を目指すなら基本情報技術者試験、セキュリティの知識を深めたいなら情報セキュリティマネジメント試験が定番の次のステップです。どちらも受験料はITパスポートと同じ7,500円です。
Q. フォーサイトのITパスポート講座は教育訓練給付金の対象になりますか?
A. 2026年10月時点で編集部が確認した範囲では、フォーサイト公式の教育訓練給付制度の対象講座一覧にITパスポート講座は掲載されていませんでした(IT系で掲載があったのは基本情報技術者講座)。給付金は使えない前提で、16,800円または6,480円の講座代で検討するのが確実です。
まとめ
ITパスポートは、受験料7,500円・合格率48.6%(令和7年度)の入門国家試験で、非IT職を含むすべての社会人がITの共通言語を身につけるための資格です。2026年12月28日からのCBT休止と2027年度の見直しを考えると、受けるなら「今年のうちに」が一番迷わずに済むタイミングだと編集部では見ています。
「取っても意味がない」のではなく、「取り方と使い方次第で意味が決まる」資格です。完璧に準備してから動くより、まず受験日を決めてしまうこと。それが一番の近道です。
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