結論から言うと、未経験〜若手のネットワークエンジニアが先に取るべきはCCNA、設計・上流工程へ進みたい実務経験者が狙うべきはネットワークスペシャリストです。CCNAはCisco認定のベンダー資格で随時受験でき、ネットワークスペシャリストは合格率17.8%(令和7年度春期)のIPA高度試験。同じ「ネットワークの資格」でも、問われる深さと役割がまったく違います。資格スキルアップ編集部が公式情報をもとに比較しました。
※本記事はアフィリエイト広告を含みます。
この記事で分かること
- CCNAとネットワークスペシャリストの試験概要の違い
- 難易度・費用・有効期限の比較
- どちらを先に取るべきか、編集部の判断
CCNAとネットワークスペシャリストは何が違う?
CCNAは「ネットワーク機器を設定して動かせること」、ネットワークスペシャリストは「ネットワーク全体を設計し、問題を論理的に説明できること」を証明する資格です。
| 項目 | CCNA | ネットワークスペシャリスト(NW) |
|---|---|---|
| 資格の種類 | ベンダー資格(Cisco Systems認定) | 国家試験(IPA・高度試験レベル4) |
| 試験 | 1試験(200-301) | 科目A-1・A-2・B-1・B-2の4科目 |
| 解答形式 | 選択式・シミュレーション形式など | 多肢選択式+記述式 |
| 受験料 | 300米ドル(税別)。円建て価格は為替で変動 | 7,500円(税込) |
| 受験機会 | テストセンターで随時 | 年1回(2026年度からCBT方式) |
| 合格率 | 非公表 | 17.8%(令和7年度春期) |
| 有効期限 | 3年(再認定が必要) | なし |
| 主な対象者 | ネットワーク初学者〜若手 | 実務経験のあるエンジニア |
出典:Cisco公式サイト、IPA「情報処理技術者試験 統計情報」(2026年10月確認)
表でまず目に入るのは費用の差です。CCNAは300米ドル(税別)で、円建てでは為替によって変動します。対するネットワークスペシャリストは7,500円(税込)。ただし「安いから国家試験が得」とは言い切れません。その理由は次の章で説明します。
▶ 関連記事:CCNAの講座・参考書比較
▶ 関連記事:ネットワークスペシャリスト試験とは?難易度・合格率・キャリアへの活かし方
難易度はどれくらい違う?
ネットワークスペシャリストのほうが明確に難関だと編集部は見ています。CCNAは合格率が公表されていないため数字での比較はできませんが、試験の構造を見れば差は読み取れます。
CCNAは選択式を中心とした1試験で、ネットワークの基礎、IPアドレッシング、ルーティング・スイッチング、セキュリティの基本、自動化の初歩までを幅広く問います。知識と基本操作が身についていれば得点できる設計です。
一方、ネットワークスペシャリストの科目B(旧・午後)は記述式。長い事例文と構成図を読み、「なぜこの経路になるのか」「障害の原因はどこか」を自分の言葉で書く必要があります。IPAの統計では、令和7年度春期の受験者11,948人に対し合格者は2,126人。受験者の多くが応用情報技術者レベルの知識を持つ層であることを踏まえると、17.8%という数字の重みが分かります。
自動車にたとえるなら、CCNAは「運転免許」、ネットワークスペシャリストは「道路設計の資格」。免許があれば車は動かせますが、交差点の構造や渋滞の原因を設計の言葉で語るには、別の訓練が要ります。
転職ではどっちが評価される?
評価される「場面」が違う、というのが編集部の見解です。
未経験・若手の転職では、CCNAのほうが効きやすいと考えています。求人票の応募条件や歓迎条件に資格名が書かれるケースがあり、「機器を触る準備ができている」ことを分かりやすく示せるためです。受験機会が随時あるので、転職活動のスケジュールに合わせて取得時期を決められる点も現実的な強みです。
経験者の転職や社内での評価では、ネットワークスペシャリストが生きてきます。国家試験で有効期限がなく、ベンダーに依存しない設計力の証明になるからです。資格手当や報奨金の対象にしている企業もあります。
▶ 関連記事:IT資格の資格手当・評価
▶ 関連記事:IT資格は転職で本当に有利なのか
どっちを先に取るべき?
編集部の結論は「CCNA → 実務経験 → ネットワークスペシャリスト」の順です。
- CCNAは学習の成果がすぐ実務に出る:コマンドや設定の知識が、現場の作業と直結します
- 年1回の試験に最初から賭けるのはリスクが高い:ネットワークスペシャリストは不合格だと次の機会まで1年。随時受験できるCCNAで先に実績を作るほうが、転職活動や評価面談に間に合わせやすい
- 記述式は実務の言葉がないと書けない:現場で障害対応を経験してからのほうが、事例文の情景が浮かびます
教育心理学者ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」は、人は「少し背伸びすれば届く課題」に取り組むときに最もよく伸びる、という考え方です。初学者にとってネットワークスペシャリストは背伸びでは届かない高さ、CCNAはちょうど届く高さ。段を1つずつ上がるほうが、結局は早く着きます。
なお、すでに応用情報技術者に合格していて科目A-1(旧・午前I)の免除期間が残っている人は例外です。免除が効く2年のうちにネットワークスペシャリストへ挑戦する価値は十分にあります。
ネットワークエンジニアへの就職・転職を考えている方は、就職支援サービスの活用も選択肢です。18〜29歳で未経験からITエンジニアを目指すなら、ウズウズITがITエンジニア就職に特化した無料のサポートを行っています(対応エリアは関東・関西・東海の主要都市)。
▶ 関連記事:CCNAとLPICの違いを比較
▶ 関連記事:CCNPとは?CCNAとの違いと勉強法
よくある質問
Q1. CCNAとネットワークスペシャリストはどちらが難しいですか?
A1. ネットワークスペシャリストのほうが難関だと編集部は考えています。CCNAは合格率が非公表のため数字での比較はできませんが、ネットワークスペシャリストは記述式の科目があり、令和7年度春期の合格率は17.8%(受験者11,948人・合格者2,126人)でした。
Q2. CCNAとネットワークスペシャリストの受験料はいくらですか?
A2. CCNAはCisco公式価格で300米ドル(税別)で、円建ての金額は為替で変動します。ネットワークスペシャリストは7,500円(税込)です。CCNAは不合格の場合も再受験のたびに受験料がかかるため、申し込み前に公式サイトで最新の価格を確認してください。
Q3. 資格に有効期限はありますか?
A3. CCNAは取得から3年間有効で、維持するには再認定が必要です。ネットワークスペシャリストは国家試験のため有効期限がなく、一度合格すれば更新手続きは不要です。
Q4. 未経験者はどちらから受けるべきですか?
A4. CCNAから受けることを編集部はおすすめします。随時受験でき、学んだ内容が機器の設定作業に直結するためです。ネットワークスペシャリストは年1回の実施で記述式の科目もあるため、実務経験を積んでから挑戦するほうが合格に近づきます。
まとめ:免許を取ってから、設計を学ぶ
CCNAとネットワークスペシャリストは、競合する資格ではなく、順番に積み上げる資格です。CCNAで手を動かす力をつけ、現場で経験を積み、ネットワークスペシャリストで設計の言葉を手に入れる。この順番がいちばん無理のない道だと編集部は考えています。
いまの自分に必要なのは、機器を動かす力ですか、それとも全体を設計する力ですか。その答えが、次に受ける試験です。
※本記事の情報は2026年10月時点のものです。試験日程・受験料・制度は変更される場合があるため、受験前に必ずCisco公式サイト・IPA公式サイトで最新情報をご確認ください。
執筆:資格スキルアップ編集部


コメント