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IT資格にかかるお金は「受験料7,500円前後+講座代数千円〜数万円」が基本の構図で、講座代の部分は教育訓練給付金を使うと20〜80%が戻る可能性があります。ただし給付金の対象になるのは指定講座の受講料だけで、受験料は対象外。ここを取り違えると「思ったより戻ってこなかった」という結果になりがちです。
編集部で主要資格の公式料金を2026年10月時点で調べ直したところ、同じ「ITパスポート講座」でも6,480円から26,000円まで4倍近い開きがありました。資格別の費用目安と、使える給付金・補助金制度を、確認できた数字だけで整理します。
資格スキルアップ編集部|最終更新:2026年10月20日
この記事で分かること
- IT資格ごとの受験料・講座代の目安(2026年10月時点で公式確認した数値)
- 教育訓練給付金3種類と、2025年10月に始まった教育訓練休暇給付金の違い
- 給付金を使うときにつまずきやすいポイント
IT資格を取るには、結局いくらかかる?
国家試験(IPA)は受験料7,500円、ベンダー資格は100〜300米ドルが目安で、ここに講座代や教材費が上乗せされます。
| 資格 | 受験料 | 講座料金の例(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| ITパスポート | 7,500円(税込) | スタディング合格コース8,500円/フォーサイト スピード合格講座16,800円(デジタルプラン6,480円) |
| 基本情報技術者 | 7,500円(税込) | スタディング合格コース24,800円/フォーサイト35,800円(一般教育訓練給付金対象) |
| 応用情報技術者 | 7,500円(税込) | 講座により数万円程度(各講座の公式サイト参照) |
| AWS Certified Cloud Practitioner | 100米ドル(円建て価格は為替・税で変動) | 独学(公式の無料教材+問題集)も多い |
| CCNA | 300米ドル(Cisco公式表記。円建ての支払額は予約時に表示) | 参考書・Udemyなどで数千円〜 |
※料金はいずれも各社公式サイト・試験団体の公式ページで確認した金額です。キャンペーン価格は含めていません。
表を見てわかるとおり、受験料そのものより「どの講座を選ぶか」のほうが総額への影響は大きくなります。ITパスポートで言えば、デジタルプランの6,480円と紙教材付きの16,800円では1万円以上の差があり、この差は教材の形式とサポート範囲の違いです。編集部としては、まず受験料だけで独学に挑戦できる資格なのか、講座を使ったほうが時間を買えるのかを先に決めるほうが、費用の見通しが立てやすいと考えています。
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ITパスポートの受験料を補助してもらう方法は?
受験料の補助を探すなら、確認先は教育訓練給付金ではなく、勤務先と自治体の2つです。教育訓練給付金の対象は指定講座の受講料で、受験料は含まれません。
- 勤務先:受験料の補助や資格手当を設けている企業があります。人事や総務に、対象の資格と、申請が受験前か合格後かを確認してください
- お住まいの自治体:ITパスポートの取得を支援する制度を設けている自治体があります。内容や募集時期は自治体ごとに違うため、自治体名と「ITパスポート 補助」で検索するのが近道です
CCNAなどのベンダー資格でも、確認先は同じです。編集部としては、受験を申し込む前に勤務先と自治体の制度を確認しておくことをおすすめします。申請のタイミングは制度ごとに違うので、先に申し込んでしまうと対象を外れる可能性も否定できないからです。
「受講後にお金が戻ってくる」仕組みは、なぜよくできているのか?
給付金制度は「先に払って、修了後に一部が戻る」形が基本で、これが結果的に学習の継続を後押しします。
一見遠回りに感じますが、行動経済学でいう「サンクコスト(埋没費用)」の働きに近いところがあります。人はすでに払ったお金を惜しむ気持ちから、途中でやめにくくなるものです。本来は判断を誤らせるバイアスとして紹介されることが多いのですが、資格学習の場合は「払ったのだから修了まで頑張ろう」という方向に働きやすい。修了しないと給付されないという条件と組み合わさることで、二重の継続装置になっていると編集部では見ています。
教育訓練給付金には、どんな種類がある?
教育訓練給付金は厚生労働省の制度で、受講料の20%・最大50%・最大80%の3段階に分かれます。雇用保険に一定期間加入している人が、厚生労働大臣の指定講座を受講・修了した場合に支給されます。
| 種類 | 支給率 | 上限額 | 対象講座の傾向 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 受講料の20% | 10万円 | 幅広い資格・通信講座(例:フォーサイトの基本情報技術者講座) |
| 特定一般教育訓練給付金 | 40%+資格取得等で10%加算=最大50% | 25万円 | 速やかな再就職・キャリア形成に資する講座 |
| 専門実践教育訓練給付金 | 50%→70%→最大80%(段階支給) | 年間64万円(3年間で最大192万円) | 専門的・実践的な講座(一部ITスクールの転職コースなど) |
専門実践教育訓練給付金は、一度に80%が出るわけではありません。受講中に50%(年間上限40万円)が6か月ごとに支給され、修了後1年以内に資格取得等のうえ雇用保険の被保険者として就職すると70%(年間上限56万円)、さらに就職後の賃金が受講開始前より5%以上上がると80%(年間上限64万円)まで積み増される段階的な仕組みです。
この段階設計は、「学んで終わり」ではなく「転職・昇給という結果」まで見据えた制度だと編集部では受け止めています。逆に言えば、転職や昇給の予定がない人にとっては、実質的に50%の制度だと考えておくほうが安全です。
ITパスポート講座は給付金の対象になる?
2026年10月時点で編集部が確認した範囲では、フォーサイトの教育訓練給付制度対象講座一覧にITパスポート講座は掲載されておらず、IT系では基本情報技術者講座のみが対象でした。ITパスポートは講座代自体が数千円〜2万円台と比較的安いこともあり、給付金ありきで選ぶ資格ではないと考えています。
2025年10月に始まった「教育訓練休暇給付金」とは?
教育訓練休暇給付金は、在職中に30日以上連続した無給の教育訓練休暇を取る人に、失業給付(基本手当)に相当する額を支給する制度で、2025年10月に創設されました。
厚生労働省の案内によると、対象は雇用保険の一般被保険者で、勤務先の就業規則や労働協約に教育訓練休暇制度が定められていることが前提になります。つまり「会社を辞めずに、まとまった期間を学び直しに充てたい」人向けの制度です。講座代が戻る教育訓練給付金とは性質がまったく違い、こちらは休暇中の生活費を支える給付だという点が大きな違いです。
給付日数や支給額は雇用保険の加入期間や賃金によって変わり、厚生労働省のパンフレットやシミュレーターで確認する形になっています。IT資格のために30日以上休むケースは多くないかもしれませんが、ITスクールの集中コースに通う場合などは検討の余地があります。まずは勤務先に教育訓練休暇制度があるかを人事に確認するのが第一歩です。
国や自治体の補助金は、他にどんなものがある?
厚労省の給付金以外では、経済産業省の講座認定制度と、自治体独自の助成制度が主な選択肢です。
第四次産業革命スキル習得講座認定制度(経済産業省)
IT・データ分野の高度なスキル習得を目的に、経済産業省が認定する講座制度です。認定講座のうち、厚生労働省の指定を受けたものは専門実践教育訓練給付金の対象にもなります。ITスクールの転職コースで「経産省認定」と書かれているのはこの制度です。
自治体独自の助成制度
一部の自治体では、IT資格取得やリスキリングを支援する独自の助成金を設けています。内容・金額・募集時期は自治体ごとに大きく異なるため、編集部では一覧化できていません。お住まいの自治体名と「リスキリング 助成」で検索すると見つけやすいです。
※支給率・上限額・対象条件は制度改正により変更される場合があります。申請前に厚生労働省・ハローワーク・各自治体の最新情報を確認してください。
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給付金を使うとき、どこでつまずきやすい?
一番多いのは「受講前の手続き漏れ」と「受験料も戻ると思い込む」の2つです。
- 支給は基本的に修了後:先に受講料を全額支払う必要があり、申し込み時点で割引になるわけではありません
- 専門実践・特定一般は受講前の手続きが必要:原則として受講開始日の2週間前までに、訓練前キャリアコンサルティングを受けたうえでハローワークで手続きをする必要があります(2024年4月に「1か月前」から緩和)
- 修了条件を満たさないと給付されない:出席率や課題提出などの条件が講座ごとに設定されています
- 受験料は対象外:給付金の対象は講座の受講料で、試験団体に支払う受験料は自己負担です
なかでも2つ目は見落としやすいポイントです。一般教育訓練給付金は修了後の申請だけで済みますが、手厚い2つの給付金は「受講前の準備」が欠かせません。申し込みを決めてから動くと間に合わないことがあるため、検討段階でハローワークに相談しておくのが確実です。
出張旅費の精算を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。会社の出張費も、多くの場合は一旦自分で立て替えてから後日精算されます。ただし「事前申請がないと精算できない」会社があるように、給付金にも事前手続きが必要なものがある。資金の流れと手続きの順番を、セットで押さえておきましょう。
よくある質問
Q. 受験料そのものも給付金で補助されますか?
A. 補助されません。教育訓練給付金の対象は指定講座の受講料(入学料・受講料)で、IPAや試験団体に支払う受験料(ITパスポートなら7,500円)は自己負担です。
Q. ITパスポートの講座でも給付金は使えますか?
A. 2026年10月時点で編集部が確認した範囲では、フォーサイトのITパスポート講座は教育訓練給付制度の対象講座一覧に掲載されていませんでした。講座代が8,500円〜16,800円程度と比較的安いため、給付金なしでも検討しやすい資格です。
Q. 給付金の申請はいつ行いますか?
A. 一般教育訓練給付金は、講座修了日の翌日から1か月以内にハローワークへ申請します。特定一般・専門実践は、これに加えて原則として受講開始日の2週間前までに、訓練前キャリアコンサルティングを受けたうえでハローワークでの事前手続きが必要です。
Q. 特定一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金はどう違いますか?
A. 特定一般は受講料の40%(資格取得等で最大50%・上限25万円)を修了後に受け取ります。専門実践は受講中50%・就職後70%・賃金5%以上アップで80%と段階的に支給され(年間上限64万円)、対象はより専門的・実践的な講座に限られます。
Q. 教育訓練休暇給付金と教育訓練給付金は併用できますか?
A. 制度の目的が異なり、教育訓練給付金は講座の受講料を、教育訓練休暇給付金は無給休暇中の生活費を支える給付です。併用の可否や条件は厚生労働省の案内で個別に確認が必要で、編集部では確定的な情報を確認できていません。
まとめ
IT資格の費用は「受験料7,500円前後+講座代」が基本で、講座代は6,480円から数万円まで幅があります。教育訓練給付金を使えば講座代の20〜80%が戻る可能性がありますが、対象は指定講座だけ、受験料は対象外、手厚い給付金ほど受講前の手続きが必要、という3点は必ず押さえておきたいところです。
給付金を最大限に使おうとして講座選びが遅れるより、自分が受けたい講座が対象かどうかを確認し、対象でなければ安い講座で早く始める。編集部としては、そのほうが結果的に一番コストが低いと考えています。迷っている時間も、立派なコストですから。


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